亡くなった場合における届出と相続税申告までに手続きについて

家族で亡くなった方がいますと、相続の手続きを開始しなければなりません。
しかし、実際すぐに切り替えて対応できないものです。特に親しい人だとショックが強すぎて何もできないことが多いです。
しかし相続の手続きのほとんどは期限があり、それを過ぎると請求できなくなってしまいます。そのため、厳しい状況でも相続の手続き一式を期限が来る前に終わらせる必要があります。
また、相続の手続きには多くの書類が必要です。
初めての相続場合、難しく思うことも多いでしょうから参考にしていただければと思います。

目次

相続手続きとは?

相続の手続きは以下のとおりとなっております。この手順で説明致します。

(1)死亡届の作成・提出
(2)火葬許可の申請
(3)納骨
(4)健康保険の手続き
(5)葬祭費等の請求
(6)高額療養費の請求
(7)年金の手続き・未支給年金の請求
(8)遺族年金の請求

(1)死亡届の提出
初めに行うべき手続きは、死亡届の提出となります。
死亡届の提出は、基本的に1週間以内に市区町村役場に提出しなければいけません。
人が亡くなった場合には、医師により死亡診断書が作成されます。
この死亡診断書に死亡届がセットになっておりますので、これに記載し提出すれば死亡届の提出が完了します。
また、死亡診断書はその後の相続手続きにも使いますのでコピーをとりましょう。

(2)火葬許可の申請
遺体を火葬する場合に火葬許可を受ける必要があります。
火葬が終わると、埋葬許可証が発行されます。埋葬許可書により納骨が行われます。

(3)納骨
納骨をする場合には、埋葬許可証が必要です。

(4)健康保険の手続き
続いて健康保険の手続きをご説明致します。
健康保険の手続きとは国民健康保険や後期高齢者医療制度等の手続きを指しますが、自治体によって対応が違う場合がありますのでご注意ください。
一般的に健康保険の手続きは、14日以内と定められておりますが、死亡届を提出することによる省略できる自治体もありますので、ご確認してみてください。

(5)葬祭費等の請求
亡くなった方が加入していた後期高齢者医療制度や健康保険によっては埋葬料・葬祭費等の支払いを受けられる場合があります。
亡くなったのの加入制度によって、必要書類や支給条件が違いますので、確認をしてみてください。

(6)高額医療費の請求
一定金額以上高額な医療費を支払っている方に対しては、負担した医療費の一部の還付を受けることができます。

(7)年金の手続き・未支給年金の請求
亡くなった方が年金を受給されている場合もあるでしょう。この年金受給者の方が亡くなった場合、年金の支給を止めなければなりません。
この手続きは年金受給権者死亡届を年金相談センターもしくは年金事務所に提出します。

(8)遺族年金の請求
一般的に遺族年金は2種類にあります。
遺族年金は、遺族基礎年金と遺族厚生年金があります。
その区分は亡くなった方の年金制度の種類や亡くなった方に18歳未満の子供がいたかにより変わります。
具体的にどのような遺族年金に該当するのかは、年金相談センターや年金事務所に確認してみてください。

遺産相続手続きを行うために必要をなる書類について

遺産相続手続きのための書類について説明致します。
一般的に遺産相続の手続きは、以下になりますが亡くなった方がどのような財産を保有していたかによりするべき事項が変わります。

① 遺言書の検認
② 相続人の調査
③ 相続放棄の申述
④ 預金の引き出し
⑤ 自動車の名義変更
⑥ 不動産の相続登記
⑦ 保険金の請求
⑧ 相続税の申告

(1)相続手続き開始前に揃えておくべき書類
相続の手続き進めるために必要な書類は以下のとおりです。

・亡くなった方の身元または相続人との関係性を示す戸籍関係書類
・亡くなった人の出生から死亡までを証する戸籍謄本
・住民票除票の写し・戸籍の附票の写し
・相続人全員の戸籍謄本

また、最近制度で、法定相続情報一覧図があります。
これは法務局にて戸籍確認書類の証明をしてもらい何度でも発行を受けることができます。

(2)遺言書がある場合に必要となる書類
遺言書の種類、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言があります。
自筆証書遺言は自筆で内容を記載、公正証書遺言は公証役場にて作成したもの、秘密証書遺言は内容は秘密のままで遺言書の形式を公証役場で証明を受けたものになります。

※注意点としては公正証書遺言以外の遺言には家庭裁判所で検認手続きを行わずに勝手に開封できません。
開封した場合にはペナルティーがかかる場合があります。
また、遺言執行者がいる場合には、選任審判書謄本が必要です。

(3)遺言書がない場合の必要書類
遺言書がない場合は遺産分割協議を行います。
遺産分割協議の記録として、遺産分割協議書を作成しますが、様々な相続の手続きで使う書類となります。
また、遺産分割協議書は、各相続人が署名と実印による捺印を押し、印鑑証明書を添付します。

(4)相続人を調査する
相続の手続きでは、相続人が誰であるかを調べる必要があります。
相続人は、配偶者、第一順位として子供、第二順位として父母、第三順位として兄弟姉妹となります。

(5)相続放棄の申述について
相続の際には相続財産の確認が必要です。その結果プラスの財産よりもマイナスの財産の方が多いときは相続放棄することができます。
ただし、相続放棄は亡くなったことを知った日から3ヵ月以内に行う必要があります。
相続放棄の手続きは、相続放棄申述書と戸籍関係書類が必要です。

(6)預金の引き出しについて
金融機関は口座名義人が亡くなったことがわかると凍結します。
その後に亡くなった方の預金から払い出しをするためには相続の手続きが必要です。
その手続きには、遺産分割協議書または遺言書と戸籍謄本が必要です。

(7)保険金の請求手続きについて
死亡保険を契約している方が亡くなったときは、保険金受取人が死亡保険金を受け取ります。死亡保険金は他の相続財産とは違って受取人の固有財産となります。

(8)自動車の名義変更手続きについて
名義変更手続きに関しましては国土交通省のホームページに雛形がありますので、こちらを利用するといいでしょう。

(9)不動産の相続登記の手続きについて
亡くなった方が不動産を所有していた場合には、不動産の登記をする必要があります。

(10)相続税の申告手続きについて
相続税には基礎控除という制度があり3,000万円+法定相続人の数×600万円」を超えた金額に対してのみ相続税が課税される仕組みとなっております。
相続税の制度は数多くの特例制度もあり、ご自身で申告をされるよりも専門家である税理士に依頼をされる方がより効果の高い相続税申告をすることができます。

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