近年、婚姻率の低下と並行して事実婚率が増加しています。
しかしながら、法的には配偶者として認められていません。
内縁関係とは
- 内縁関係
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婚姻届を提出していないが、実質的には夫婦同様の関係にあり、お互いに婚姻意思がある男女のことをいいます。
内縁が成立したと認められるには、以下の条件が満たされていなければならないとされています。- ア)婚姻予定であること
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結婚式を挙げている、第三者に対して夫や妻、結婚予定として紹介しているなどの場合には婚姻の意思があると判断されえます。
- イ)夫婦、家族と同様の生活
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同居していること、家計を一緒にしていること、子ども認知し育てていることなどがあります。
- ウ)契約書の名義
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同居している物件の賃貸契約書にて同居人の続柄に夫、妻(未婚)などと記載する。
- エ)公的手続き
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住民票を同じ世帯にしているなど。
内縁関係者が遺産をもらうには
- 遺言による相続
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内縁関係では法定相続人ではないため、遺言状がなければ相続権はありません。しかし、遺言状があればその通りに遺産を分割することができます。
ただし、遺留分があることは理解しておく必要があります。
遺留分とは,一定の相続人(遺留分権利者)について,被相続人の財産から法律上取得することが保障されている最低限の取り分のことで,被相続人の生前の贈与又は遺贈によっても奪われることのないものです。被相続人が財産を遺留分権利者以外に贈与又は遺贈し,遺留分に相当する財産を受け取ることができなかった場合,遺留分権利者は,贈与又は遺贈を受けた者に対し,遺留分を侵害されたとして,その侵害額に相当する金銭の支払を請求することできます。 - 特別縁故者に対する相続財産分与
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相続人の存否が不明の場合に家庭裁判所により選任された相続財産管理人が被相続人の債務を支払うなどして清算を行った後,家庭判所の相続人を捜索するための公告で定められた期間内に相続人である権利を主張する者がなかった場合,家庭裁判所は,相当と認めるときは,被相続人と特別の縁故のあった者の請求によって,その者に,清算後残った相続財産の全部又は一部を与えることができます。
ただし、必ずしも特別縁故者になれるわけではありません。裁判所に認められるためには生計を一つにしていたこと、住民票を妻(未婚)、夫(未婚)にしておくなど生前の関係を証明する必要があります。
内縁の夫、妻が遺産を受け取った場合の相続税申告の注意点
また、内縁関係では遺産をもらうこと以外にも相続税の計算上、不利になります。
- 基礎控除、配偶者控除等の適用外
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内縁関係では法定相続人にはなれないため基礎控除や配偶者控除などの優遇制度を適用することができません。
また、第三者への相続となるため相続税の2割加算の対象となります。
計算式は以下のとなります。【相続税額の2割加算が行われる場合の加算金額】
=【 各人の税額控除前の相続税額】×0.2
内縁関係で相続以外でもらえるもの
相続が起こってしまった場合には法律上弱い立場にありますが、生前に対策をとることはできます。
- 生前贈与
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相続税とは違い贈与税では基礎控除を受けることができます。
年間110万円いないであれば税金はかかりません。 - 遺族年金
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事実婚であったこと、家計を一つにしていたことを証明することで遺族年金をもらうことができます。
遺族厚生年金に加え、認知している18歳未満子供がいれば遺族基礎年金ももらうことができます。 - 生命保険金の受取人にしてもらう
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通常、生命保険の受取人は二親等以内であることが条件となりますが、条件を満たすことで受け取ることができます。
- 法律上の配偶者がいない
- 事実婚の相手と同居している
- 生計を一つにしている
具体的には住民票で妻(未婚)、夫(未婚)に変更していることや、家賃、水稲光熱費など生活費の流れがわかる通帳などを準備する必要があります。
生命保険を受け取れても、相続税が上がることには注意が必要となります。
参考:裁判所HP,特別縁故者に対する相続財産分与
参考:裁判所HP,遺留分侵害額の請求調停