相続税は何に課されて、誰が納めるのか?

相続税とは、法律に基づいて、人の死亡を原因として財産が移転するときにかかる税金です。それでは、どのような財産に税金がかかり、誰が相続税を納めるのでしょうか。今回は、相続税の課税財産と納税義務者について解説いたします。

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相続税の納税義務者

相続税を納めなければいけないのは、相続または遺贈によって財産をもらった人です。つまり、法定相続人でなくとも、財産をもらったのであれば相続税を納めなければいけません。

ただし、遺贈によって、株式会社などの法人が財産を取得したときは、相続税ではなく、法人税が課されます。

また、相続や遺贈のタイミングで財産をもらっていなくても、被相続人から生前に贈与を受け、相続時精算課税制度を使って贈与税申告をしていた人も、相続税を納めなければいけません。

さらに、相続財産ではないけれども、相続税がかかる財産があります。これを「みなし相続財産」といいます。代表的なものが、死亡保険金と死亡退職金です。

住所と納税義務

ここで、相続税を納税すべきかどうか判定するために必ず確認しておきたいのが「住所」です。相続や遺贈で財産を取得したときの住所によって、相続税がかかる財産の範囲が変わるからです。相続人と被相続人の住所の両方を確認する必要があります。

原則は、住所が国内であっても国外であっても、すべての財産に相続税がかかります。しかし、被相続人と相続人の双方が相続開始前10年を超えて国内に住所がないようなケースでは、例外的に日本国内の財産にしか相続税はかかりません。

法律上の正しい表現で言うと、国内に住所がある場合、居住無制限納税義務者と居住制限納税義務者に分けられ、国内に住所がない場合、非居住無制限納税義務者と非居住制限納税義務者に分けられます。

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