相続税申告に銀行預金残高証明書は必要なのか
相続税の申告の際に、銀行預金残高証明書が必要となります。通帳などでは把握しきれない財産や、被相続人の全財産の中には出資金やローンなどが含まれている場合もあるでしょう。被相続人の全財産を把握するために、銀行預金残高証明書を取得し、相続税の申告の際に添付することが求められます。
銀行預金残高証明書とは、申請者が指定した日付時点での、申請者の取引口座などの各残高を、金融機関が書面で証明するものです。
※相続税の申告と納税は、相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内となっています。
銀行別!預金残高証明書の取得方法は
銀行預金残高証明書の取得方法は、金融機関によって多少違います。事前に、必要な書類などを電話などで確認してから手続きしましょう。発行には、日数がかかることが多いですので、早めに準備するとよいでしょう。
また、発行の際は、銀行所定の預金残高証明発行手数料がかかります。
※平成29年から、法定相続情報証明制度により、法定相続情報一覧図の写し(法務局交付)があれば、謄本等の提出が不要になりました。
※法定相続人以外の人が申請する場合は、相続人の委任状が必要となります。
- ゆうちょ銀行
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手続きに必要なものは以下の通りです。
- 被相続人が死亡したことがわかるもの(戸籍謄本または除籍謄本)
- 相続人の場合は、相続人であることがわかるもの(戸籍謄本)
- 申請者の本人確認書類
- 申請者本人の印鑑
- 発行手数料
- 1通につき520円
- 三菱UFJ銀行
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手続きに必要なものは以下の通りです。
- 被相続人が死亡したことがわかるもの(戸籍謄本または除籍謄本)
- 相続人の場合は、相続人であることがわかるもの(戸籍謄本)
- 申請者本人の実印、印鑑登録証明書
- 受け取り方法
- 店頭または郵送
- 発行にかかる日数
- 郵送の場合は1週間から10日ほど
- 発行手数料
- 残高証明書1通につき770円(消費税込み)
- 経過利息計算書1通につき2,200円(消費税込み)
- 三井住友銀行
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手続きに必要なものは以下の通りです。
- 被相続人が死亡したことがわかるもの(戸籍謄本または除籍謄本)
- 相続人の場合は、相続人であることがわかるもの(戸籍謄本)
- 申請者本人の実印、印鑑登録証明書(発行より6か月以内)
- 被相続人の通帳、印鑑、キャッシュカード
- 受け取り方法
- 郵送
- 発行にかかる日数
- 約1週間から10日ほど
- 発行手数料
- 1通につき880円
- みずほ銀行
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手続きに必要なものは以下の通りです。
- 被相続人が死亡したことがわかるもの(戸籍謄本、除籍謄本)
- 相続人の場合は、相続人であることがわかるもの(戸籍謄本)
- 申請者本人の実印、印鑑登録証明書(発行より6か月以内)
- 発行手数料
- 1通につき880円(消費税込み)
- りそな銀行
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手続きに必要なものは以下の通りです。
- 被相続人が死亡したことがわかるもの(戸籍謄本または除籍謄本)
- 相続人の場合は、相続人であることがわかるもの(戸籍謄本)
- 申請者本人の実印、印鑑登録証明書(発行より6か月以内)
- 発行手数料
- 都度発行1通につき880円
- 指定書式のもの1通につき2,200円(相続財産にかかる証明書等を含む)
- 銀行預金残高証明書の注意点
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既経過利息とは被相続人の預貯金を解約した日に支払われる利息のことです。相続税を申告するために銀行預金残高証明書を取得する際の注意点ですが、被相続人の預貯金の取引内容によっては、預貯金の既経過利息の計算とその記載も必要となります。
また、その場合の日付は、相続開始日(被相続人が死亡した日)となります。証明書を申請した日の日付ではありませんので、注意が必要です。
相続時の預金残高を調べる方法
被相続人が、遺言書や財産目録を生前に用意していた場合は、預金やローンなどの取引内容を把握することができるのですが、それらがない場合は、相続人が被相続人の預金残高などを調べる必要があります。
- 調べる方法は
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- 通帳やキャッシュカードを探す
- キャッシュカードを利用した際のレシートを探す
- 金融機関名と支店名などが控えてあるものを探し、金融機関に問い合わせる
- 郵便物を確認する
など、いろいろな方法があります。
- ネット銀行など、通帳やキャッシュカードがない銀行は
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- メールの内容を確認する
- 携帯電話やスマートフォンに入っている銀行アプリを確認する
- 郵便物を確認する
などがあります。
なお、ゆうちょ銀行については、被相続人の取引内容が不明な場合、「現存照会」ができます。※詳しくはゆうちょ銀行にお問い合わせ下さい。
相続時に銀行預金残高証明書を入手すると口座が凍結するか
相続時に銀行預金残高証明書を発行する手続きをすると、被相続人の預金口座は凍結します。預金口座が凍結すると、預け入れ、各種引き落としを含む引き出しなどの取引が一切できなくなります(入院費や葬祭費など、例外的に認められることがあります)。
もし、他の相続人が勝手に預金を引き出したりする心配がある場合は、早めに銀行預金残高証明書の発行の手続きをするとよいでしょう。