火葬許可申請書はどこへ提出するのか
火葬許可申請書とは、火葬許可証を交付してもらうために必要な書類です。故人の火葬を行うためには火葬許可証が必要になるため、火葬許可申請書を提出し、火葬許可証を発行してもらう必要があります。火葬許可申請書は原則としては死亡届と同時に市町村役場に提出することとなっています。
提出期限としても死亡届と同様であり、原則としては故人の亡くなった日から7日以内に提出が求められています。なお、病院で看取られず亡くなった場合も想定されるため、法律上は被相続人の死亡を知った日から7日以内となっています。また、海外で亡くなった場合は3ヶ月以内の提出が求められています。
葬儀代(葬式費用)を誰が支払うべきか
葬儀代を誰が支払うべきかについては法律上明確な定めがありません。それは、相続については故人である被相続人が生前に有していた債権及び債務が対象となっており、葬儀の費用は相続人が相続する債務にならないためです。
一般的には葬儀代は喪主が支払うものと考えられています。長男が喪主となり、葬儀費用を負担するケースが最も多いようです。
葬儀後に遺族が行うべき手続きは(初七日まで)
葬儀後に遺族が行わなければいけない手続には、法的手続きと法要があります。葬儀後の法要スケジュールは宗派や慣習により多少異なりますが、葬儀後は仏教の多くの宗派では法要が営まれます。
一般的なところでは初七日、四十九日、初盆、一周忌、三回忌、七回忌といった法要があります。葬儀後に遺族が行うべき手続として、ここでは法的な手続きと法要について解説していきます。
初七日は故人が亡くなってから七日後に営まれる法要をいいます。一般的には葬儀や告別式と同日に済ませる場合も多いです。初七日までに行う必要のある手続きとしては、死亡届の提出、病院及び葬儀業者への経費の支払い、故人が契約の当事者となっている契約の解約もしくは契約内容の変更、遺言書の有無の確認、年金受給停止手続の5つです。
死亡届の提出は、個人が亡くなった場合に速やかに行う必要があります。全国共通の用紙が市区町村役場に準備されており、左半分を申請人が記載し、右半分を医師に死亡診断書として記載してもらう書類となります。
病院及び葬儀業者への支払いについては、葬儀を無事終えたら速やかに行います。葬儀の翌日までには病院への支払いを行います。葬儀会社についても当日生産の会社もあれば後日請求書が送付されてくる会社もあるので、契約の際に支払方法を確認した上で適切なタイミングで葬儀会社への支払いも済ませます。
葬儀費用については相続税の控除の対象となるため、領収書を保管しておくことが重要です。
故人が契約当事者となっているものの解約及び契約変更については、法律上は故人が亡くなると契約は無効になります。しかし、契約先は個人が亡くなったことを知るすべがないため、契約の内容を確認し、不要なものは解約し、引き継いで利用するものは名義変更手続きを行うことが必要になります。
クレジットカードやローンについても連絡をしない限りは支払が続いてしまうので、初七日までには確認しておくことが必要です。
遺言書の有無の確認は、遺産分割を行うために必要になります。初七日を終えた後、遺産についての話し合いが始まる前に、遺言書の有無を確認することが必要です。なお、公正証書以外の遺言書については、勝手に開封することができないため、検認手続きの準備も行う必要があります。 故人が年金受給者であった場合、その年金受給停止手続きを行うことが必要になります。年金受給停止手続きは、故人が国民年金加入者であった場合は、亡くなった日から14日以内、厚生年金加入者であった場合は亡くなった日から10日以内となっています。そのため、初七日までに必ずしも終わらせる必要はないものの、初七日後にすぐに期限が来るため、確認しておく必要があります。
葬儀後に遺族が行うべき手続きは(四十九日以降)
四十九日は死亡から四十九日後に営まれる法要ですが、きっちり四十九日後に法要を行うのではなく、その前後の週末に行うケースが多いです。四十九日で納骨を行うことが一般的となっています。四十九日までに行う手続きとしては、生命保険及び死亡一時金の請求、遺品整理及び形見分けの2つです。
生命保険及び死亡一時金の請求については、保険金等の請求期限が3年以内になっていることが多い為、必ずしも四十九日までに行う必要はありませんが、遺産分割で保険金の取得額を考慮して話し合うことが考えられるため、請求手続きを先に行っておくと安心です。
遺品整理及び形見分けについては、一般的に四十九日ごろに行われることが多いです。相続に関する話し合いもこの時期にまとめて行われることが多いですが、後々のトラブルを避けるためにも具体的な分割方法が決まった時点で行うことが必要です。そのため、状況に応じてはタイミングをずらすことも考えられます。
それ以降については法定手続の観点から、3ヶ月以内に行う必要があるものとして、相続の手続があります。これは、相続するか否か及び相続するとした場合どこまでを相続の範囲とするかを選択する期限が、相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月とされていることによります。
また、4ヶ月以内に行う必要があるものとして、被相続人が納税者であった場合や医療費控除を受ける場合は相続人が代わりに準確定申告をしなければなりません。相続による準確定申告は被相続人が亡くなった次の日から4ヶ月以内とされているためです。
相続税の申告については、各種控除や特例を利用する場合には10ヶ月以内に行う必要があります。
初盆は故人が亡くなってからはじめて迎えるお盆であり、僧侶を招いて法要を行うことが一般的です。なお、四十九日前にお盆が来た場合は、次のお盆が初盆となります。
その後は三回忌や七回忌といった形で法要が行われますが、回数を重ねるごとに規模は小さくなっていきます。三十三回忌や五十回忌で忌上げとなる宗派が多いですが、そこまで法要をする過程は少数派のようです。
納骨費用は葬式費用として債務控除できるか
納骨費用は、お寺のお墓に納骨される場合は、一般的に多額となります。そのため、相続税を算定する際に、納骨費用が葬式費用に含まれるかが論点になります。
この点、納骨費用は葬式の一連の流れて必要なものと考えられるため、葬式費用として債務控除可能です。そのため、納骨にかかった費用を証明することができる書類を残しておくことが必要になります。
葬儀・葬式直後に喪主が行う手続きは
葬儀・葬式直後に喪主がすべき手続としては、
- 病院及び葬儀会社への経費の支払い
- 通夜や葬儀でお手伝いをしてくれた方や故人の職場の方へのあいさつ
- 香典外資の手配
の3つがあります。
病院及び葬儀会社への経費の支払いについては上述のとおりです。
通夜や葬儀でお手伝いをしてくれた方や故人の職場の方への挨拶についても葬儀の翌日から初七日までには済ませることが一般的です。個人の職場へ挨拶に伺う際には、職場から借りているものや職場に残しているものがある可能性があるので、挨拶に伺う前に連絡を取り、それらの返却や引き取りを合せて行うとよいです。
香典返しの手配については、半返しが目安となります。受け取った金額の半分程度の品物を香典外資の品物として贈ります。四十九日の忌明けの時期に香典返しを贈ることが一般的であるため、必ずしも葬儀の直後に行う必要はありませんが、香典の取りまとめは葬儀の直後に行うことが多いことから、合わせてやっておくとよいでしょう。