口座凍結の基礎知識と凍結するメリット

「親が亡くなると親の名義の銀行等の口座が凍結され、取引ができなくなる」とく言われますが、これは本当の話です。
相続人が亡くなった後は葬儀費用や、入院費用など、何かとお金が必要となります。
他にも亡くなった方の名義の口座にある預金で生活している遺族など、口座が凍結されることにより日常の生活に支障をきたす場合があります。
この口座凍結とはどのようにして起きるかなどの基礎知識と凍結することによるメリットについて説明していきます。

目次

亡くなった人の銀行口座をそのままにしておくとどうなるか

一般的には口座名義人が亡くなったことを銀行が把握すると、その口座が凍結されます。
口座凍結とは、銀行などの金融機関が「口座の入出金をできないようにすること」です。
この凍結されたまま長期間放置すると休眠預金という扱いなります。休眠預金とは、10年以上入出金がなく、金融機関との取引がない状態の預金等で、相続人が亡くなった日からではなく、最後に取引が行われた日を基準としています。


平成30年より眠預金等活用法が適用されるようになりました。
これは毎年数百億ともいわれる眠ったままになっている預金を民間の公益に活用しようというものです。
これを聞くと、預金が取り上げられると不安に思ってします人もいらっしゃるかと思いまが、大丈夫です。
通帳やキャッシュカード、本人確認書類などを揃えることによって、休眠預金になっていても、払い出しの請求があれば支払が可能となっているので、消滅することはありません。
だだし手続が必要ですし、忘れたままになってしてしまうといけませんので、思い当たる口座があれば、金融機関に確認してみてください。

口座凍結の基礎知識として、どのように口座が凍結されるかをご説明致します。
銀行が口座名義人の死亡を確認するまで口座は凍結されません。
一般的に人が亡くなると、死亡届を役所に提出します。死亡届は、7日以内に役所に提出しなければなりません。


また、死亡届が提出されないと相続は開始されません。
ただ、死亡届を提出しても、役所が金融機関に連絡することはありませんので、死亡届を提出したすることにより預金口座を凍結する手続きに進むことはありません。
したがって亡くなったからといっても、口座凍結されないため、亡くなられた方名義のキャッシュカード・暗証番号を知っていれば、通常通りにATMで預金を引き出すことが可能です。


しかし、こういった行為は今後の相続においてトラブルとなる可能性があります。
葬儀費用など必要経費だけのために引き出すのには問題ありませんが、自己に使うための引き出しとなると、相続を単純承認したことになる可能性があります。
相続発生時に相続人になっている場合、相続は必ずしなければならないものではありません。相続するかしないかも選択することができます。


単純承認とは、プラスとなる財産とマイナスとなる負債を全て相続する方法です。ここでいう負債とはいわゆる借金などです。
これは相続人が借りたものだけではなく、保証人の義務も引き継ぐこととなります。
したがって単純承認をしてしまうと、相続放棄や一部部分だけを相続する限定承認ができなくなります。
相続放棄や限定承認を検討されないのであれば問題ありませんが、単純承認をしてしまうと相続放棄ができなくなってしまいますので注意してください。

銀行口座を凍結するメリット

先述した通り口座が凍結されないと相続の手続き上トラブルが発生します。
したがって銀行口座凍結には、口座に係るすべての関係者に重要な理由があります。
亡くなった親の預貯金を、遺族の一部で他の相続人の確認もなく、勝手に引き出すと、「あの人だけ勝手に使うのはズルいんじゃないか」といった不満が噴出しトラブルになることも珍しくはありません。


そのため、相続人が亡くなったら、口座からの払い出しができないように銀行に連絡し、銀行口座凍結の手続きを行いましょう。それにより、相続トラブルの原因を一つ取り除くことができます。
当然銀行口座の凍結は義務ではありませんが、銀行口座の凍結はすることによる良い点と不便になる点がありますので、急いで口座凍結の手続きをしない方が良いかもしれません。


しかし、相続の手続きを進めていくうちに銀行側も口座名義人が亡くなったことを知るので、口座が凍結されることになります。
凍結することにより不便になることがある場合は、相続手続きを進める順番をしっかり確認したうえで進めて下さい。


また、銀行が口座を凍結するタイミングとしては大抵の場合家族からの連絡です。
新聞のお悔み欄や葬儀の案内の看板といったことから、銀行側が口座名義人が亡くなったことを知り、口座を凍結することもあり得ますが、口座が凍結されるのは基本的に遺族から銀行に亡くなったことを連絡したときになります。


◆銀行口座をすぐに凍結しない方が良いことも
先述した通り、銀行口座を凍結することはトラブル回避のためにも必要なことです。
しかし、以下などの状況によっては慌てて銀行口座を凍結しない方が良い場合もあります。

① 同居をしていて、亡くなられた親名義の口座を使い日常生活を送っていた場合
② 公共料金の支払い方法やクレジットカードによる決済口座に使っていた場合

の場合は凍結口座の仮払い制度などもありますが、それでも手続きに時間を要しますので簡単に引き出せるわけではありません。そうなると、日常生活において支障が出る場合がありますので注意が必要です。


場合銀行口座が凍結されてしまうと、支払いができなくなり電気代等の公共料金が未払いになってしまいます。そうなると、電気やガスが止まってしまうおそれがあり、生活に問題が出るのではと思われる方もいるかと思われますが、実際にはすぐに止められることはあまりありません。一般的には、電気会社やガス会社から請求書等が届きますので、届いた振込用紙により支払えば問題ありません。


しかし、絶対に止まらないというわけではありませんので、確実にするためには、引落口座の名義人が亡くなったことを連絡し、口座変更の手続きをする前に凍結された場合、振込用紙の準備をお願いしておくと良いでしょう。

◆死亡届を役所に提出すると同時に銀行の口座が凍結されるわけではありません
実務的には、放置していたとしても大きなデメリットはありませんが無用な相続トラブルを回避するためにも口座凍結の手続きをした方がよいでしょう。
口座凍結が行われると、簡単に出入金することが難しくなり、手間がかかることが多いのは事実です。しかし凍結を行わないと、キャッシュカードや通帳があれば、相続人の一人が勝手に預貯金を引き出すことができてしまいます。たとえ引き出した本人に悪気がないまたは理由があったとしても、他の相続人からしてみたら、変な疑いがかかってしまい物事が悪い方向に進むことも考えられます。


口座凍結は確かに不便になることや手間がかかることが増えますがが、相続におけるトラブルを起こさないというメリットがあります。
よく相続は「争族」と言われるくらいトラブルが多いです。口座凍結をしない方が良いケースもありますが、できるだけ迅速に手続きを進めましょう。

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