相続が開始したらまず何をしたら良いの?

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役所への各種届出

最近では、葬儀社さんが役所へ行ってくれることも多いようですが、家族で届け出る場合もあるかと思います。それは、死亡届の提出です。お亡くなりになられてから7日以内にお住いの役所へ死亡診断書とともに提出、その時に死体火葬許可申請も行います。

また、同じく役所でする手続きには、国民健康保険・介護保険・国民年金・住民税・固定資産税など税金関係の届出や保険証の返却、除票住民票・戸籍謄本の取得など役所でたくさんすることがあります。近くでしたら出直しできますが、遠く離れている場合などは一度で済ませられるとよろしいですね。

財産債務調査

次に亡くなられた方の財産調べです。同居されていらしたとしてもすべてわかっている、というケースはほとんどありません。
四十九日・納骨式などを済まされたら故人の書類や郵便物の整理などからヒントを得て問い合わせをしていく必要があります。
預貯金・株式・その他金融資産・不動産・自動車・家庭用財産などや生命保険金も控除額を超えた部分は相続財産とみなされます。
財産には負の財産(債務)もあります。金融機関等のローンや未払の税金・医療費・カード払いの買い物など亡くなられた日現在で調べることになります。

相続人の調査

この記事を読まれている方は、例えばご主人を無くされて配偶者とお子さん二人であったとすると三人以外相続人はいないのに何の調査??と思われるかもしれませんが、このような場合であってもご主人の出生から死亡までの戸籍謄本をすべて取得してできれば法務局に法定相続情報を作成してもらうとそのあとがスムーズに進みます。相続税の申告は不要な場合であっても預金通帳1冊名義変更するだけでも法定相続人を書類で明らかに必要があります。また、相続人全員の戸籍謄本の取得も必要です。

遺言書の有無

故人が遺言書を残していたかどうかも調べる必要があります。自筆の場合は遺品の中にあるか、友人・知人・士業関係者に預けているかもしれません。公正証書遺言というのは個人が依頼した公証人が作成したもので公証役場に保管されています。自筆証書遺言・公正証書遺言のどちらもない場合は次の遺産分割協議書を作成することになります。

遺産分割協議書の作成

故人が遺言書を残していない場合は、相続人が全員でどの財産を誰が相続するのかを話し合って決めた内容を記載した遺産分割協議書を作成する必要があります。これがないと不動産はもとより普通預金一冊であっても名義変更ができません。相続人全員が署名して実印を押印し印鑑証明を添付します。

相続税の申告と納付

相続税の申告と納付は、ここまでの資料がそろったうえですべての相続財産の評価を行い債務控除と基礎控除を差し引いたところで課税価額がある場合に必要となります。基礎控除は、平成27年に税制改正があり3千万+600万×法定相続人の数となっています。改正前の平成26年分までは5千万+1000万×法定相続人の数でしたので例えば法定相続人がお一人の場合で比較しますと5100万から3600万へ基礎控除額が縮小されており、申告対象範囲が拡大しています。配偶者の税額軽減や小規模宅地の特例を適用し納付税額がない場合であっても申告義務がなくなる、ということではありませんので申告は必要となります。

相続財産の名義変更手続き

預貯金・株式・各種金融資産・保険・不動産・自動車など相続税の申告義務の有無にかかわらず金融機関や証券会社、法務局や陸運局へ名義変更の手続きが必要です。金融機関・証券会社・保険会社はそれぞれ所定の相続名義変更用の書類がありますのでそれを送ってもらい手続きします。自動車は陸運局所轄の支局へ必要書類を確認の上手続きします。不動産は必要書類をそろえて法務局で手続きします。ご自身でもできないことはありませんが、司法書士事務所へ依頼するとスムーズです。不動産については相続登記を義務化する法改正がすでに可決成立していて施行は2024年からの予定です。これまではご先祖様のまま相続登記はこちらの都合でも罰則はありませんでしたが、施行後は違反すると過料が発生します。相続登記以外でも所有者住所変更等の登記の義務化・登記名義人の死亡等の事実の公示・不動産所有者の情報提供・所有不動産記録証明制度の新設など法改正施行予定です。

相続に関する各種手続きの期限

相続に関する各種手続きは、それぞれの法律で定められそのほとんどには期限があります。期限に遅れるとその権利が行使できなくなったり、不動産に関しては改正法施行後過料が発生することになります。期限がない場合でも手続きすれば行使できることがしていないためにできない、ということにもなります。悲しみに包まれているさなかであっても法律に囲まれて暮らしている以上必要な手続きは速やかに行うことがベストかと思います。

以下に主な期限をまとめてみました。

死亡届市区町村7日以内
火葬許可申請書市区町村火葬をする前
世帯主変更届市区町村14日以内
国民健康保険市区町村14日以内
後期高齢者医療保険市区町村14日以内
厚生年金受給権者死亡届年金事務所10日以内
国民年金受給権者死亡届年金事務所14日以内
所得税準確定申告所轄税務署4カ月以内
相続税申告所轄税務署10カ月以内
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