自宅マンションの相続時の評価額はいくら?

平成27年に相続税の基礎控除額が大幅に改定され、相続税の最高税率も50%から55%へ上がり、世の中は大相続時代と言われるようになりました。今や、相続問題は富裕層だけのものでは無く、一般世帯にも身近な問題となりつつあります。特に、都心部にマンション等の不動産を所有している方にとっては、それだけで相続税の課税対象となる可能性もあります。
相続対策の重要なポイントの1つとして、生前のできるだけ早めのタイミングで、財産の全体像を正しく把握しておくことが挙げられます。
都心部では土地やマンションの高騰が続いており、値段が下がらないという傾向も続いています。
ここでは、財産の中でも大部分を占める可能性が高い不動産、その中でもマンションの相続時の評価額(課税対象となる価額)はどうなるのか、同じ物件でも、自宅マンションと賃貸マンションとで、評価額の計算が異なりますが、ここでは一般的な自宅マンションの評価について解説します。

目次

マンション相続時の相続税計算の概要

相続税の計算は、マンションの相続時の評価額が〇〇円だから、相続税は△△円になる、といった形での計算はなく、不動産に〇〇円、金融資産に△△円だから相続税が合計◇◇円になる、といった資産ごとの計算にもなりません。
計算方法は、マンションを含む被相続人(亡くなった人)の「遺産総額が〇〇円で、それを相続人全員で分割すると合計△△円の相続税になる」という考え方です。
つまり、相続税の金額を具体的に算出するには、マンション評価額だけではなく、金融資産や生命保険、その他の財産等を合算した“遺産総額”を算出する必要があります。
また、借金等の負債がある場合は、遺産総額から負債額を控除します。
そして、被相続人の遺産総額が相続税の基礎控除額以上の金額であった場合のみ、相続税が課税されます。
反対に、遺産総額が基礎控除額の範囲内で収まる金額であれば、相続税はかからず、相続税の申告も不要となります。

<相続税の基礎控除額の計算式>
基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

よって、法定相続人が1人の場合は、基礎控除額は3,600万円、2人の場合は4,200万円になります。

マンションの相続税評価額の計算方法の概要

マンションの評価額というと、分譲マンションを購入した所有者にとっては、住戸部分のみを購入した様に感じられるかもしれませんが、資産を評価する上では、戸建て住宅と同じように土地(敷地権)と建物(住戸部分)に分けてそれぞれの金額を算出することになります。

ただ、戸建て住宅とマンションの違いとして、マンションには専有部分(住戸部分)と共有部分(共有スペース)があります。マンションの所有者は、購入時に専有部分(住戸部分)だけではなく、玄関ホールやエレベータ、階段、廊下、駐車場や駐輪場、ゴミステーションといった共有部分についても他の居住者と持分を按分する形の敷地権(敷地利用権)として購入していることになっているのです。
そのためマンションの相続税評価額を計算する際には、建物部分と土地部分について、マンション全体の評価額から、個人が持つ建物の評価額と土地(敷地権)の評価額をそれぞれ算出する必要があるのです。

(1)マンション(建物)の相続税評価額の計算方法
マンションの専有部分(建物部分)の評価額は、毎年6月頃に市区町村から届く“固定資産税の課税明細書”に記載されています。
マンションの建物部分の相続税評価額=固定資産税評価額となります。
もし課税明細書が手元の見当たらない場合は、市区町村役場(東京23区の場合は都税事務所)で固定資産評価証明書を取得すると、評価額の確認が可能です。

(2)マンション(土地・敷地)の相続税評価額の計算方法
マンションの土地部分(敷地部分)は、マンション敷地全体の面積から持分割合(敷地権割合)で按分した面積に対し、相続税路線価を掛け合わせた金額で相続税評価額を算出します。
マンションの敷地全体の評価額×持分割合(敷地権割合)×相続税路線価

上記の様に、マンションの敷地全体は、原則としていわゆる路線価方式で相続税評価額を計算することになります。路線価方式とは、国税庁が発表する道路に面した土地の路線価を基準に、土地(敷地)の評価額を計算する方法で、路線価は国税庁のホームページにて確認できます。

例えば、マンションが面している道路の路線価が500Dとあった場合、マンションの敷地1㎡あたり=500千円となり、仮にマンション全体の敷地面積が1,000㎡、敷地権割合が200分の1だとした場合、土地(敷地)の相続税評価額は、
500千円×1,000㎡×1/200=2,500,000円
といった計算になります。
相続税路線価は毎年7月1日に国税庁から発表されます。概算ではなく正確に評価額を算出したい場合は、その年の路線価を使って土地(敷地)の評価額を計算してください。

正確なマンションの相続税評価額は専門家に相談を

今回は被相続人の自宅マンションに焦点を当てて相続税評価額の計算方法を解説しましたが、賃貸マンションの場合や、一棟の賃貸物件の場合は、より複雑な計算方法で評価額を算出することになります。
賃貸や収益物件の評価については、ここでは解説を割愛しますが、自宅マンションの相続税評価額は、概算であれば今回の計算方法で算出できます。
自宅マンションの場合も、より正確な金額を算出するには、より細かい算出式を用いるため、相続に精通している税理士でなければ対応が難しいかもしれません。
マンションの評価額を正確に出したい方や、相続税対策を行いたい方は、相続に強い税理士に相談することをお勧めします。

目次